ゴールキーパーってサッカーの中でも、少し特殊なポジションですよね。
ユニフォームも違うし、中には帽子を被っている人もいたような…
味方からのバックパスを、ゴールキーパーが手でキャッチするのは反則です。
「あれ?でもこの前サッカーを見ていたら、味方からのバックパスを手でキャッチしていたような…?」と感じた方もいるかもしれません。
“基本的には”バックパスを手でキャッチするのは反則です。しかし、頭や胸でパスされたボールはキャッチOKです。
サッカーのルールは意外とややこしいルールがあります。今回はゴールキーパー(以下GKと表記します)に関するルールをまとめました。
すでにルールを知っているプレーヤーも、ムダなイエローカードをもらわないためにも!再確認しておきましょう。
キーパーの基本ルールまとめ
GK(ゴールキーパー)はプレーヤーの中で唯一、手でボールを触ってOKです。試合の中でも独特な存在であるため、ルールも多少特殊です。
ややこしい点や、基本的な決まりなどいくつかの項目に分けました。
バックパスは手で触ったらNG
味方からのバックパスは手で触ってはいけません。ただし例外もあり。
ゴールキーパーが自分のペナルティーエリア内で、次の反則のいずれかを犯した場合、間接フリーキックが与えられる(中略)
次のような状況で、ボールを手または腕で触れる。ただし、ゴールキーパーがボールをプレーに戻すため、明らかにボールをける、またはけろうとした場合を除く:
・ ボールが味方競技者によって意図的にゴールキーパーにキックされる。
・ 味方競技者によってスローインされたボールを直接受ける。
赤字部分に注目です。手で触って反則になるのは「キック」された場合のみです。そのため、ヘディングや胸で味方から返されたボールについては手で触ってOKです。
ヘディングで返されたボールをGKが手でキャッチする場面を見ると「あれ?今のバックパスなのに手で触っていいの?」と疑問に思いがち。それは「キックではない」からOKということですね。
試合には「かならず1人置く必要あり」
サッカーのルール上、必ず一人GKを設置しなければならないという決まりがあります。
試合は、11人以下の競技者からなる2つのチームによって行われる。そのうち1人は
ゴールキーパーである。いずれかのチームが7人未満の場合、試合は開始も続行もされ
ない。
ルール上はこのように記載されており、「GKなし」では試合が成立しないことになっています。
「ウチは攻撃的なチームだから、GKは置きません!」という事はルール上不可能です。まあGKがいなければ、ゴールががら空きになりますので、当然と言えます。
服装にも特殊な決まりあり
試合を実際に見ればわかる通り、GKは「フィールドプレーヤー」や「審判」と区別できる色のユニフォームを着用することが義務づけられています。
それぞれのゴールキーパーは、他の競技者、審判員と区別できる色の服装を着用しな
ければならない。
ただし例外もあります。
両チームのゴールキーパーのシャツが同色で、両者が他のシャツと着替えることがで
きない場合、主審は競技を始めることを認める。
両チームのGKの色が被ってしまい、なおかつ他の色のシャツを用意していない場合は試合を開始することができます。
プロの試合ではまずありえないシチュエーションですが、アマチュアの試合では稀に起こります(ユニフォームを忘れた等々)。「ユニフォームが被ったから不戦敗だ…」と諦めるのは早いです。このルールは覚えておきましょう。
GKはトラックスーツという長いパンツの着用が許可されています。
ゴールキーパーは、トラックスーツのパンツをはくことができる。
トラックスーツというのは、この画像のようなパンツのことです。
GKは横っ飛びをしたりと、身体を投げ打ってセーブします。その時に身体を保護するためにトラックスーツがOKになっています。
またGKは、帽子の着用も認められています。
ゴールキーパーの帽子やスポーツめがねと同様に認められる。
過去にはオリバー・カーン選手が着用して試合に出ていましたね。キャプテン翼でいうと若林くんです。
ちなみに元チェルシーのペトル・チェフ選手はヘッドギアを着用していましたが、ヘッドギアはフィールドプレーヤーも着用OKなアイテムです。
キーパーの入れ替えは事前申告制
GKを他のポジションの選手といれかえる場合にも、特殊な決まりがあります。
ゴールキーパー以外の競技者は、次の条件でゴールキーパーと入れ替わることができる:
◦ 入れ替わる前に主審に通知する。
◦ プレーの停止中に入れ替わる。
他の選手が試合途中からGKを務める場合、「入れ替わる前に主審に伝える」「プレーの停止中に入れ替わる」という手順を踏む必要があります。
他のポジションの選手が入れ替わる場合(フォワードがセンターバックになる)、プレー中でも自由に入れ替わることができますが、キーパーは試合でも重要な役割を果たしていますので、以上の手続きが必要になります。
ちなみに主審の承認を得ずに入れ替わると、両選手がイエローカードの対象になります。余計なイエローカードをもらわないためにも、プレーヤーの方は覚えておきましょう。
ケガのときは戻るまで待ってもらえる
GKがケガをしてピッチを離れると、チームに重大な影響を与えますので、こちらも特別なルールがあります。
競技者が重傷を負った場合、プレーを停止し、確実にその競技者を競技のフィールド
から退出させる。(中略)競技のフィールドから退出する要件につき、次の場合の
み例外とする:
・ ゴールキーパーが負傷したとき 〜
競技規則上では、「GKがケガなどで一時的にピッチを離れる時は、他の選手と同様の対処はしませんよ」とだけ書かれています。
具体的には「GKが復帰、もしくは代わりの選手がGKを務めるまで」試合は再開されません。
ルール上、かならず1人必要なポジションですので、「1人置かれるまでは試合再開しません」という意味合いになります。
直接相手ゴールに投げ込んでもノーゴール
GKが投げたボールが相手ゴールにそのまま入ってもノーゴールになります。
ゴールキーパーは、相手ゴールにボールを投げ入れて得点することができない。
たださすがに相手ゴールに、直接投げ入れる肩を持った選手は見たことがありません。
なにせ、サッカーのピッチは縦100〜110mあります(国際基準)。もし届くなら、サッカーよりやり投げとかに取り組んだ方が活躍できそうです。
まとめ
GKは手が使える特別なポジションということで、特殊なルールがいくつか存在していることがご理解いただけましたでしょうか。最後にもう一度まとめます。
- バックパスは手で触ったらNG
- 試合には「かならず1人置く必要あり」
- 服装にも特殊な決まりあり
- キーパーの入れ替えは事前申告制
- ケガのときは戻るまで待ってもらえる
- 直接相手ゴールに投げ込んでもノーゴール
これがGKのルールの特徴です。もちろんもっと細かい決め事もありますので、気になる方はサッカー競技規則2019/20を参照してみてください。
サッカーの競技規則は、非常にわかりやすい言葉で書かれているので、意外と理解しやすいです。
ルールをしっかり覚えてサッカーを楽しみましょう!
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