「試合でもっと打てるようになりたい」
「大事な場面でヒットを打ちたい」
「ホームランが打てるバッターになりたい」
試合で成績を残すために道具を選ぶことは大切です。
2022年に王貞治の日本人選手年間本塁打記録を塗り替えた村上宗隆選手。
彼はシーズン中にバットを変えたことで、たったひと月で14本ものホームランを打ちました。
道具の変化が成績の向上を生み出すことがあるのです。
そんなバットの中でも現在注目されているのが「複合バット」と呼ばれるバット。
今回はそんな複合バットの特徴やおすすめの複合バットを紹介します。
この記事が良いバッティングの一助となれば幸いです。
飛ぶバット(複合バット)とは「複数の素材を使用した飛びやすいバット」
複合バットとは、カーボンやウレタンなどの素材を複数使用したバットのことです。
ボールが当たる部分にカーボンやウレタンなどの素材を使用することで、反発力が上がり、ボールが遠くまで飛ぶようになることが最大の特徴です。
複合バットは芯にあたる幅がとても広いため、ミート力やスイングスピードが無くても、バットにボールが当たればそれなりの打球が飛ぶようになっています。
主に少年野球や草野球などの軟式野球で使用されますが、あまりにも飛びすぎるため、地区などによっては使用禁止をルール付けている地域もあるほど。
金属バットを使用するよりも手やバットへの負荷がかからないため、耐久性も高く、手が痺れにくいこともメリットの1つです。
技術力の向上により、年々飛ぶようになり、軽量化も図られている複合バット。
主要メーカーがそれぞれ力を入れているバットのため、毎年のように新しいモデルが出るバットです。
飛ぶバット(複合バット)が問題視されている3つの理由
複数の素材を使用して打球を飛びやすいものにしている複合バット。
ホームランを打つことも夢ではない魅力的なバットですが、近年、問題視する動きも出ています。
それはなぜなのでしょうか。
ここでは飛ぶバットがなぜ問題視されているか、その3つの理由をご紹介します。
技術の停滞
複合バットが問題視されている理由の1つ目は「技術の停滞」です。
複合バットは芯という概念がほとんどないバットで、ウレタンやカーボンの部分にボールが当たれば、打球が飛んでいくような作りになっています。
ミート力がなくても強い打球を飛ばすことができることから、「バッティング技術の停滞につながるのではないか」という声が上がっています。
実際、小中学校までは複合バットを使用していた選手が、高校に上がってから金属バットに対応することができない選手は一定数いるとのこと。
趣味程度に野球を楽しむのであれば複合バットを使用するのは問題ないと思います。
しかし、高校やその先のことを考えると複合バットがその後のバッティングに支障をきたす可能性があるということです。
近隣への迷惑
複合バットが問題視されている理由の2つ目は「近隣への迷惑」です。
複合バットは金属バットや木製バットを使用するよりも打球が飛びます。
そのため、ファウルボールやホームランボールがグラウンドの外を出て、通行人に当たったり、駐車している車や近隣住宅の窓ガラスを割ってしまうトラブルが各地で発生しました。
草野球や少年野球で使われる球場は運動公園や住宅地にあることが多いため、試合に関係のない方々に被害を及ぼしてしまう可能性もあります。
近年では、近隣トラブルを避けるため、球場側が複合バットの使用を禁止する動きも出てきています。
強烈な打球による野手のケガ
複合バットが問題視されている理由の3つ目は「強烈な打球による野手のケガ」です。
反発力の高い複合バットは、ボールが当たれば強い打球が飛ぶ可能性が高くなります。
そのため、強い打球が守備をしている選手に飛び、対応できずに顔や体に当たってケガにつながることも。
特に内野手は強いゴロが飛んでくることが多く、その中でもサードやピッチャーはより速い打球が飛んできます。
小学校高学年クラスになると、振る力もついてきて、打球はより速くなります。
選手の安全面においても複合バットの使用が問題視されているのです。
以上が飛ぶバットが問題視されている3つの理由です。
やはりケガや近隣トラブルにつながることを考えると、複合バットの使用の制限を考えなければならないのかもしれませんね。
ここまで複合バットが問題視される理由をご紹介してきましたが、もちろん複合バットには最大の魅力があります。
次の見出しでは、その複合バットの魅力について紹介していきます。
飛ぶバットは「打つことの楽しさ」を体感できる
飛ぶバットの最大の魅力は「打つことの楽しさを体感できること」です。
複合バットは、スイングスピードが遅かったり、ミート力があまり高くない選手でも、ヒットやホームランを打てる可能性があるバットです。
そんなバットを使用することで、良いバッティングができた、大事な場面で点を取ることができた、ホームランが打てたなど、バッティングの成功体験を味わうことができるのです。
野球は打って、投げて、捕るスポーツです。
投球や守備を上達させることももちろん大事ですが、最終的には1点多く取ったチームが勝つスポーツ。最小失点で抑えられたとしてもこちらが0点だったら勝つことはできません。
そうなったときに最終的に重要なのはバッティングと言えるでしょう。
打撃力向上の秘訣は、何よりも成功体験の数だと筆者は考えています。
「またあの試合のときのようなヒットを打ちたい」
「あの場面のように活躍できる選手になりたい」
その気持ちがバッティング力を向上させるのです。
バッティングのフォームなどの技術面に関しては、中学生以降でも問題はないと筆者は考えています。
まずは試合でヒットを打てた経験や活躍できた経験を得ることが必要なため、その味方として複合バットを使用することはとても有効です。
では、どのように複合バットを選べば良いのか、次の見出しで紹介していきます。
飛ぶバットを選ぶ3つのポイント
体格によって長さ・重さを選ぶ
複合バットを選ぶポイント1つ目は「体格によって長さ・重さを選ぶこと」です。
バットが短すぎてはアウトコースに届かなくなりますし、重すぎてはスイングのキレを損ないます。
バットを選ぶ際は、長さ・重さに注意が必要です。
一般的にバットの長さは「腕の長さ×1.3cm」が目安と言われています。
お子さんの成長は早いため、やや長めのバットを選んでも問題はありません。
身長が130cm〜145cmのお子さんの場合は68cm〜80cm、
145cm以上のお子さんの場合は72cm〜82cmのバットがちょうど良い長さのバットです。
また、バットの重さは少し重く感じるくらいの重量がおすすめです。
小学校中学年で400g〜500g、高学年で500g以上を目安に選ぶようにしてみてください。
バッティングスタイルに合わせてタイプを選ぶ
複合バットを選ぶポイント2つ目は「バッティングスタイルに合わせてタイプを選ぶこと」です。
バットは「〜バランス」と呼ばれるタイプに分かれています。
- トップバランス
バットのヘッドの方に重みがあるバットを「トップバランス」と呼びます。
スイングしたときの重みは感じやすいものの、ヘッドが走りやすく長距離を飛ばすことに長けたバットです。
- ミドルバランス
バットの中心部分に重みがあるバットを「ミドルバランス」と呼びます。
重心が中心にあることで振り抜きやすく、バットコントロールのしやすいバットです。
- カウンターバランス
バットの根元付近に重みがあるバットを「カウンターバランス」と呼びます。
先端が軽い作りになっているため、スイングスピードとコントロールに優れているバットです。
複合バットの主流はトップバランスのバットですが、近年、使用者の要望に合わせて、ミドルバランスの複合バットも増えてきました。
カウンターバランスの複合バットはほとんど販売されていませんので、ヘッドの走りやすいトップバランスかバランスの良いミドルバランスのどちらかで選びましょう。
デザインは気に入ったカラーを選ぶ
複合バットを選ぶポイント3つ目は「デザインや気に入ったカラーで選ぶこと」です。
最終的に迷った場合は、自分の好みのデザインで選ぶようにしましょう。
視覚的な要素はとても重要で、自分の好みのデザインのバットを使用することで、高いモチベーションを維持できる可能性があります。
筆者も小学生の頃に水色のカーボンバットを使用していましたが、デザインがとても好みで試合で使うのをいつも楽しみにしていました。
どの複合バットが良いか迷った場合は、デザインや気に入ったカラーで選ぶようにしてみてください。
おすすめの少年野球用飛ぶバット6選!
おすすめの少年野球用飛ぶバット①|ミズノ ビヨンドマックス レガシー
おすすめの複合バット1本目は『ミズノ ビヨンドマックス レガシー』です。
ビヨンドは複合バットの代名詞と呼ばれるほどの有名な商品で、その中でもビヨンドマックスレガシーは最高品質のバット。
ボールが当たる部分に「ミズノレガシーPUフォーム」と呼ばれるウレタン素材を使用していて、従来のビヨンドよりも約3.3%も飛距離がアップしています。
トップバランスとミドルバランスの両方があるため、扱いやすい方を選ぶことができます。
複合バットの定番であり、困ったときには迷わずおすすめできる1本です。
おすすめの少年野球用飛ぶバット②|ミズノ ビヨンドマックスEVIIN
おすすめの複合バット2本目は『ミズノ ビヨンドマックス EVIIN』です。
レガシーよりも価格は抑えめで、サイズや重さ、カラーのバリエーションが豊富な複合バットです。
モチベーションアップのために、好きなカラーを選んでみてはいかがでしょうか。
おすすめの少年野球用飛ぶバット③|SSK バット MM23
おすすめの複合バット3本目は『SSK バット MM23』です。
SSKの出している複合バットの最高品質で、ヒッティング部分のウレタンの厚みが23mmもあるバットです。
MM23専用ウレタンを使用しており、前のモデルMM18よりも8.4%も高い反発力になっています。
黒と赤のデザインが高級感を醸し出し、大人も子供も分け隔てなく使える1本です。
おすすめの少年野球用飛ぶバット④|ZETT モンスターブラックキャノン
おすすめの複合バット4本目は『ZETT モンスターブラックキャノン』です。
ZETTの新モデルであるモンスターブラックキャノンはウレタン部分が二層構造になっていて、軽量でありながら高反発のバットになっています。
ボールの変形を小さくすることで、エネルギーロスを減少し、初速から速い打球が打てる1本です。
おすすめの少年野球用飛ぶバット⑤|アシックス デュアルフラッシュX
おすすめの複合バット5本目は『アシックス デュアルフラッシュX』です。
アシックスが出している複合バットで、ウレタンの厚みが23.5mmもある『マッスルフォーム』という独自素材を採用した1本です。
カラーバリエーションも豊富なため、お子さんの気に入った1本を選んでみてはいかがでしょうか。
おすすめの少年野球用飛ぶバット⑥|ローリングス ハイパーマッハフォース
おすすめの複合バット6本目は『ローリングス ハイパーマッハフォース』です。
ローリングスが出している複合バットで、打球部にエアパッドを内蔵している新シリーズ。
初速から速い打球と、特殊なデザインが魅力的な1本です。
飛ぶバットはバットケースに入れて保管するのがおすすめ
ここまでおすすめの複合バットをおすすめしてきました。
複合バットは、複数の素材を使用したバットであり、高価なバットです。
そのため、長持ちさせるためにもバットケースに入れて大切に保管することがおすすめ。
そのまま放置してバットのウレタン部分などが傷つかないよう、芯材の入ったバットケースを選んでみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は複合バットの特徴やおすすめの複合バットを紹介しました。
問題視されている点はあるものの、バッティングが楽しいと思えるためのきっかけとしてとても魅力的な複合バット。
少々値は張りますが、お子さんに野球が楽しいものだと感じてもらうためであったり、月に少ない草野球の試合で活躍するための道具としてはもってこいの1本だと思います。
ぜひ、複合バットを使って、楽しくバッティングをしてみてください。